追悼

安野光雅さん、亡くなられたんですね…

はじめてであうすうがくのえほん、旅の絵本、もりのえほん、他にも持ってると思うけどこれらがお気に入りでした。特にすうがくのえほんは背表紙が剥がれるほど愛読して、数学の何を表現しているのか考えたものです。未だに全部はわからないんですが。

子供の頃に夢中になって、大人になってもまだまだ心を掴まれるものはそう多くない。そのうちのひとつが安野光雅さんの絵本でした。ご冥福をお祈りします。

ブログリニューアルしました

タイトルは東海林さだおさんの連載『あれも食べたいこれも食べたい』をお借りしました。

ここは雑記帳のようなブログにしようと思います。

カメラが宝の持ち腐れになってるので写真載せたり、ちょっと文章を書いてみたり、したいです。

 

これまでの内容はstar-gazer's diaryに移転しました。

star-gazer.hatenadiary.comここにスターやコメントをくださった方ははてなidで閲覧可にしています。でも漏れがあると思われるためはてなidあるけど入れないという方は追加しますので連絡ください。

はてなidのない方はなぞなぞ認証になります。お知り合いのみDMでお伝えします。

 

 

のんびりやっていきます。

積ん読と絶版本

今年は全然読書していません。でも本は買うので読みたい山の標高が更新されていく一方。丸善に取り置きか、地元の書店に取り寄せで買っています。微々たる額でもINAKAの書店に貢献しないと、閉店されては困るので。もっとも急ぎで欲しい本や高い本は丸善のhontoで買うし、資格の問題集は10%オフ&送料無料で買える出版社で買っちゃうけど。

欲しい本はあるうちに買っとけ。

不条理や理不尽を書いた本が読みたいとSNSに書いたらマルキド・サドの“美徳の不幸”をおすすめされたんですけど、岩波書店は絶版になっており大型書店の在庫もなく。図書館にはあるので借りればいいけど、2週間で読み終えられる余裕を作れないうちは借りにいけない。

出版社におかれましては売れゆきの見込めない本を作る余裕なんてない世の中なのはわかりますけど、文学を軽んじてもいいことはひとつもないので書店と組んで(組めるの?)復活本フェアをやってほしいです。

澁澤龍彦フェアとか…立ち止まる人少なさそう…

日本三大奇書を読む、をやりたいことリスト2020に書いたけど、既読の“ドグラ・マグラ”の再読すら無理そうです。だが在庫のない店舗もあるので絶版になる前に“虚無への供物”、“黒死館殺人事件”は買っておきたい。

備える

台風10号が週末日本を襲う可能性があるからそれまでに備えを!と気象庁が言うので、私の考える災害への備えを書いておきたいと思います。

災害時に避難所へ行くのか、家にとどまるのか、その第一選択によって用意するものや量が変わります。うちは避難所までのルートが危ないこと、犬がいること、から在宅が前提です。それができない場合は避難所、遠方の親戚宅、と考えています。昨年の台風15号の経験から最低1週間は自宅でしのげる用意をしておくべき、と思います。災害時は自治体も被災しているので、避難所へ行くとしても3日は自力で過ごせるようにしておきたい。

 

腹が減っては何とやら

まず水。水分補給しないとあっという間に脱水症状に陥ります。1日3リットル必要といわれているので3日分ならひとりあたり2リットル1ケース(12リットル)を用意。そのまま飲むなら500mlを24本にすれば飲み切る前にカビるのを防げる。ミネラルウォーターに限らず、麦茶や野菜ジュースなどを取り混ぜてもよい。水出しのティーバッグがあると気分転換にもなる。

ローリングストック

普段から少し買い置き(買いだめじゃないですよ)して、適宜食べて買い足すというやり方ですね。不安や恐怖のストレスにさらされたのにおいしくないものでは心身を労われないので、自分好みの食品を置いておくと安心。温めなくてもよいものだとガスや電気いらずでらくちんです。スーパーやホームセンターのほか、アウトドアショップでも売ってます。

  • ご飯:水を注ぐアルファ米やパックご飯など。白米からカレーピラフ、梅じそなど味付きもあるので食べやすいものを見つけておこう。
  • 缶詰:定番。料理するのがめんどい日のおかずにもなる。温めなくてよい。
  • レトルト:カレー、親子丼、中華丼、さばのトマト煮などなど、これも種類豊富です。これは湯煎するものが多い印象。
  • お菓子:甘いものが癒し。ただし食べすぎ注意。

 

停電すると思え

災害時に一番困るのがたぶん停電。

テレビ見られない、ネットできない、スマホ充電できない、通信会社の基地局が落ちるとスマホはただの板→情報が得られない。

空調使えない→暑さ寒さで一層くたびれる。

用意しておきたいもの

  • 乾電池:これは純正品(パナソニック東芝ソニーなど)をおすすめします。経験上、乾電池をケチると使えるものも使えないのでメーカー純正品がよい。
  • 懐中電灯:言わずもがな。乾電池の形状と本数、ちゃんと点くか、試しておきましょう。
  • LEDランタン、ヘッドライト:真っ暗だと心細くなるのが人間。ランタンからパーツを外して懐中電灯として使えるものもあります。ヘッドライトは両手が空くので便利です。登山が趣味の人は持ってると思いますが、モンベルなどのアウトドアブランドで売っています。これも乾電池の形状と数を確認。
  • 乾電池式モバイルバッテリー:昨年の台風直後は全く手に入りませんでした。コネクタの形状が自分のスマホに合うか確認。iPhoneの人はlightning変換アダプタが必要かもしれません。
  • ラジオ:テレビもスマホもダメな状態で情報を得られるのはこれ。
  • カセットコンロ:我が家はオール電化なのでマスト。ガス缶1本でどのくらい使えるのか試しておくとガス缶の買い置きをしやすいと思います。

できれば欲しい

  • 手回し充電式のラジオ、懐中電灯:最後に頼れるのは人力です。ソーラー発電もあるけど天気に左右されるし夜間は発電できないので。

 

顔洗いたい!お風呂に入りたい!

断水するとシャワー浴びられないのが地味にこたえる。

在宅避難、避難所へ避難、どちらでも用意しておくと役に立ちます。

停電・断水時でもすっきりさっぱり

  • 歯磨きセット:うがいの水は備蓄のミネラルウォーターで。折り畳めるシリコンコップが便利。
  • フェイスシート:ビオレのメイクの上からリフレッシュシートがおすすめ。アルコールフリーで自分が使えるってだけの理由でおすすめします。
  • ボディシート:いろいろ各メーカーが出してるので好きな匂いや使用感でどうぞ。今のところアルコールフリーはないので私は赤ちゃんのおしりふきを使ってます。安いやつだとおしりふきには物足りなくても体の汗拭きには十分使えます。
  • お風呂セット:避難所に開設したり基地開放で貸してくれたりと自衛隊が助けてくれることを期待して用意しておきましょう。シャンプーなどはもちろん自前です。※昨年は洗濯機も貸してくれた(海自館山航空基地)のでミニボトルに洗剤を移すか個包装を用意しておくと持っていきやすいです。

 

動物飼いさん

ごはんの買い置きはありますか?避難所ではくれないしいつもと違うものは食べない子もいるのでもしもの時を考えて動物用グッズも用意。

 

そのほか

  • 持病のある人はおくすり手帳!そうでない人も薬は人にあげられないので普段飲んでる鎮痛剤、整腸剤などあると安心。避難する際は念のため保険証も持っていこう。
  • 除菌ジェル:手が洗えない時こそアルコール消毒スプレーやジェルの出番。火気厳禁。

 

ひとまず最低限これだけはと思うことを書きました。必要なものは人それぞれですし、その時の状況で変わるとも思います。こういうことがあったと参考になれば。

 

日経ウーマンオンラインの過去記事も参考にしました。

doors.nikkei.com

doors.nikkei.com

doors.nikkei.com

7days book cover challenge-2:雑文集

だいぶ間が空きましたが、2冊めの紹介です。

2冊めは村上春樹の雑文集です。

f:id:star-gazer:20200416203538j:plain

新潮社、2013年第6刷

なんだかどこかで見た人気キャラクターのようなねずみとうさぎのイラストをそれぞれ和田誠さんと安西水丸さんが描いています。イラストは紙の表紙、文字はプラスチックのカバーに描かれている、ちょっと珍しい作りだと思います。帯っぽい下のところも表紙です。

小説ではなくエッセイ、解説、ちょっとしたフィクションなどこれまで単行本として発表されていないもの、未発表のものを集めた内容です。前書きにそのへん書いてあるのですが、村上春樹ですからちょっと引用するには長いのです。

この本を知ったきっかけははてなハイクでした。あるハイカーさんが最近読んだ本のキーワードに投稿していて、その方が特に面白かったと書かれていた部分に興味を持ったので丸善へ走りました。そうしてお迎えした本ですが、字が小さい!少々話がそれますが、近年の文庫本は大きめの字に変わってきました。しかしシャーロックホームズシリーズを出している創元推理文庫は小さい字のままで、シャーロックホームズは小さい字で楽しむ仕様となっています。その創元推理文庫とほぼ同じ大きさ。ノーベル文学賞受賞につられて買ったカズオ・イシグロ日の名残り(早川書房)と比べると半分です。まあそういうわけで読んでると目が疲れるのです。したがって購入から5年は経ったであろう2020年5月末時点でまだ読み終わっていません。長時間飛行機に乗らないといけない(などという事態はしばらくありそうにないけど)用事ができたらこれを持っていくと思います。単行本並みに厚いけどカバーが薄くて軽いので、泊まりがけの夜にはいい気がする。繰り返しになりますが、長編小説ではなくエッセイや対談などの分量としては短編がぎっしり詰まった本なので、きりのいいところ、がたくさんあるのです。きりがよくなる頃には目が疲れているんですけど…

今年中に読み終えたいとは思っています(毎年そう思ってはいる)。

7days book cover challenge-1:無影燈

先日、Facebookでbook cover challengeというバトンを受け取りました。内容は以下。

This is a challenge for contributing to the spread of reading culture. The method of participation is to post a favorite book, one book per day for 7 days. You upload an only cover image without explanation about the book and invite one FB friend to participate in this challenge every day.

これは読書文化の普及に貢献するための課題です。参加方法は、好きな本を1日1本、7日間投稿する方法です。本についての説明なしにカバー画像のみをアップロードし、FBの友達1人を毎日このチャレンジに招待します。

装丁が好きな本を7冊選び、そのデザインについてきわめて個人的な感想や見解を書きました。Facebookでは内容に触れないルール(?)でしたが、こちらでは作品内容についても少々紹介していきたいと思います。ネタバレもあるかもしれないのであしからず。


1日めは渡辺淳一の“無影燈(下)”です。

f:id:star-gazer:20200415220032j:plain

文春文庫、2012年第13刷。(他の版では表紙が異なります)

渡辺淳一の医療もの長編小説、1972年初版。1973年に田宮二郎さん、2001年に中居正広さん主演で“白い影”のタイトルでドラマ化されています。無影灯とは手術室に使われる照明器具です。

あらすじを雑に言うと、腕は超一流だけど女癖と勤務態度の悪い小さな病院の外科医・直江庸介と看護師・志村倫子の関係を軸に、直江が将来有望だった大学病院を辞め荒れた生活をしている事情には彼をむしばむ病気の存在が…。という、まあ医師作家である渡辺淳一の王道作品のひとつと言えるでしょう。

本作では骨がキーとなっているのでそれを意識したのか上下巻ともレントゲン画像が表紙に使われています。ちなみに上巻は骨盤と大腿骨のつなぎめのような位置です。

手のエックス線画像と指輪の組み合わせは、レントゲンがX線の存在に気付いた瞬間を想起させるモチーフ。モノクロな骨の写真に輝く指輪を置くことで無機質と有機物が逆転していくような儚さがあります。生の儚さ。渡辺作品を全て読んだわけではないですが、初期の医療ものから晩年に多い恋愛ものまで登場人物に儚さを感じさせる作品は少なくないです。生は儚いからこそ重みのあるもの、そういう考えを私は感じます。

私は小説を書いたことはありませんが、タイトルは内容に関連している、象徴となっている、そういう存在であると思って読んでいます。ドラマ版の「白い影」はX線画像で白く映る骨を象徴したタイトルかな。本作では手術中の描写は(たしか)ないにも関わらず、手術室と言えばお決まりの白く点灯する無影灯をタイトルにしています。さてこの作品で「無影燈」が示すものとはなにか。

この下に立った時は直江も倫子も患者も誰も影がなかった。影のないそれだけの人間であった。(下巻p326)

このような描写があります。誰も影がない。存在しているのに影がない。私のひとりよがりな感想かもしれませんが、影とは陰のことでもあり、無影灯の下に立つ倫子には直江がひとり抱えていた陰の部分が見えたのではないか。それは希望でもハッピーエンドの示唆でもありません。しかし影がなくとも存在を感じられることは倫子にとって幸福な瞬間であったように思われるのです。

 

以上、無影燈の装丁の見解でした。がんばってあと6冊書きます。